2019年07月01日

匂い(柳田)

商店街を歩いていると、ふっとそれぞれの店の匂いに気が付くことがある。と言っても、最近では随分とその機会は減ってしまった。地元の商店街でも、生鮮食品はほぼスーパー。それらの店が以前は魚屋や肉屋が個々に店を構えていたのに、最近ではめっきり減ってしまった。食料品以外でも、靴屋には靴屋の、薬屋には薬屋の、文房具屋には文房具屋の、挙げればきりがないが、それぞれの独特の匂いがあった。
店に入らずとも歩いていて、店の前を通ると、その店の匂いをふっと感じるものである。
何となくそれで、子供の頃を思い出すのは、やはり最近はそういう個々の店で、買い物をすることが減ったからだろうか。
今は、何でも通販で入手することが出来てしまう。ありとあらゆるものがだ。便利だなぁと思う。寂しいなぁとも思う。
地元ではない町を歩いていて、その町の商店の匂いに気が付くと、ふっと郷愁のようなものを憶える。人の生活を感じる。
匂いというのは、常その匂いに接していると、あまり意識しなくなる。絵描きなんて生き方をしていると、アトリエの匂いは普段は感じなくなっているかもしれない。でもきっと、神田の教室にも匂いがあって、それが訪れた人の記憶に、知らない内に留まっているのだと思う。過去に教室に通って下さった方、あるいは現在通って下さる方々に、佳き記憶として、この教室の匂いが留まってくれたら佳いなぁと願う。


柳田
posted by 神田絵画教室 at 22:32| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする